はなの病気
鼻はにおいを感じるだけでなく、呼吸器としても大切な役割を担っています。吸い込んだ空気を温めたり加湿したりして、ウイルスや細菌、ほこりなどの侵入を防ぐ“フィルター”のような働きをしています。
この鼻の機能が病気で損なわれると、空気の浄化が不十分になり、口呼吸を通じてウイルスがのどや肺に入り込みやすくなります。その結果、体調を崩しやすくなるのです。鼻の症状でお困りの方は、お気軽にご相談ください。
アレルギー性鼻炎(花粉症)
アレルギー性鼻炎は、アレルゲン(花粉やハウスダストなど)によって鼻の粘膜が反応し、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状が出る病気です。「通年性」と「季節性」があり、花粉症は季節性の代表です。空気の乾燥や温度差でも悪化することがあります。
鼻づまりが続くと、口呼吸になって風邪やインフルエンザにかかりやすくなったり、においがわからなくなったり、集中力が低下することもあります。特にお子さんの場合、成長や学習にも影響する可能性があります。
副鼻腔炎(蓄のう症)
鼻のまわりには「副鼻腔」と呼ばれる空洞があり、ここに炎症が起こると「副鼻腔炎(蓄のう症)」になります。感染などにより粘膜が腫れ、膿がうまく排出されなくなることで、鼻づまりや粘り気のある鼻水、頭痛、顔の痛み、においの低下、後鼻漏などの症状が現れます。
診断には内視鏡を使用し、治療には薬物療法やネブライザー、必要に応じて専用の病院へ紹介し手術を行います。
最近では「好酸球性副鼻腔炎」という、従来の治療が効きにくいタイプも増えており、ステロイドを中心とした治療が必要になります。喘息を伴ったり、鼻茸(ポリープ)が見られるのが特徴です。
鼻出血
鼻の粘膜には細かい血管が多く、少しの刺激で出血することがあります。特に原因がなくても出ることがありますが、高血圧があると血管が破れやすくなることもあります。
鼻血がなかなか止まらない、出血量が多い、何度も繰り返すといった場合は、耳鼻咽喉科での処置が必要です。出血部位を焼いたり、ガーゼで圧迫止血を行うことがあります。また、まれに腫瘍が原因で出血することもあるため、長引く鼻血は耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。